FC2ブログ

仮説の冒険 吉田 司

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

3 親の介護放棄で犯罪者

というのもね、いまインターネット上には、こんな声がいっぱい流れている。
(1)「親の介護が面倒でしたくありません。そういう話を親にすると『介護保険に入っているから、それで施設に入れれば大丈夫。金もかからんじゃろ』と言いますが、本当にそうでしょうか? 私が自宅で親を介護するような状況にはならないでしょうか?
 もしそういう状況になるようなら親を見殺しにしてもいいと思っています。そうしたら私は故意ではないと説明しても犯罪者になるんでしょうか?」

 回答はこう。

(2)「親の介護は義務です。仮に見殺しという状態に放置すると、保護責任者遺棄という罪で犯罪者になります。また介護保険だけでは施設に入れません。……私も、先を考えると(特に義理の両親)ぞーっとしますが、自分の手をかけるか、お金を払って他人に委ねるかどちらかしかありません。お互いに頑張りましょうね。仕方ないですよ。育ててもらったのですからね」

 この回答者のことばの「自分の手をかける」の部分、「を」を「に」に読み間違えないように。わたしは最初読み間違えてしまった。「自分の手にかける」と読むと、えっ、親殺しのすすめかよ……になっちまう(笑)。
 そしてね、実はこの「親殺し」(一五六四(ひとごろし)八八五六四(ははごろし)の地獄)の悪夢に憑きまとわれているのが、他ならぬ筆者のこの「私」自身なのです。聞いてくれる? 私の場合の「レアケース」を。
(3)わたしはいま67歳。年金収入ゼロ。認知症50%進行の94歳の母親が故郷の山形で健在。72歳の兄貴がひとりで《老老介護》を続けている。もし兄貴が死んだら……と思うと、夜も眠れぬ日々がずっと、ずーっと続いている。
 この20年、母への仕送りは月々6~7万円。最近はさすがに3万とガタ減りしたが、ずっと絶やさなかった。出版不況でライター収入は限りなくゼロ。生活保護家庭以下の収入になっても貯金を取り崩して仕送りだけは続けてきた。でも……、その貯金も底が見えてきた。

どうすればいいのか? 年老いた母の首でも締めて自殺するか……と毎夜床の中で考える。しかしそしたら一緒に苦楽を共にしてきた女房はどうなる……。悩み続けてもう5~6年になる。解決策がわからない。
そしてつい最近、この「介護殺人」の記事に出会った。ショックだった。まさに他人ごとではない。自分がその事件を起こしたみたいだった。全文引用するね。

朝日新聞 2012年7月11日
「自慢の末っ子『介護に疲れた』」
認知症で寝たきりの母(80)を、息子(43)はまめに介護してきた。それがあの夜、トイレに行きたいという母を突然殴り、首を絞めた。「介護に疲れていた」。母は病院で意識のない状態が続き、息子は警察の留置場にいる。
「大変なことしちゃった……」
6月30日明け方、東京都練馬区光が丘7丁目の団地の一室で、無職上村剛(かみむら・つよし)容疑者(43)はすぐ上の兄(53)を起こし、泣き出しそうな声で言った。台所の床には、母が体をけいれんさせながら倒れていた。
殺人未遂容疑で逮捕された上村容疑者は、警視庁光が丘署の調べに、介護用のポータブルトイレでなく家族用のトイレを使いたがる母に怒りをこらえきれな かった、と説明した。「深夜にたびたびトイレに行きたいと起こされ、睡眠不足だった。そういう状態が3カ月くらい続いていた」
3男1女の4人きょうだいの末っ子で、母と兄2人との4人暮らし。取材に応じた兄らは「一番熱心に母の面倒をみていたのが弟だった」と話す。
父は13年前に病死。きょうだいで1人だけ大学院まで進み、英語と中国語に堪能な上村容疑者は「母にとって自慢の末っ子だった」。長く、パソコン教室のインストラクターとして働いていた。
家族の生活に影が差したのは3年ほど前。母が認知症と診断され、勤めを辞めた上村容疑者は、資格取得のための勉強をしながら、母の介護をした。
「母はおしゃれとお化粧が好きだった。弟はそんな母を思い、おむつがちょっとでも汚れると『取り換えてあげるよー、お母ちゃん』と言って優しくおしりを拭いてあげていた」。横浜市に住む姉(49)は、そう言って涙ぐんだ。
長男(56)は仕事が忙しく、次男が食事をつくり、上村容疑者は買い物やトイレの世話を担当した。スーパーでは母の好きな野菜を選んで買い、あんみつの 好きな母をよく喫茶店に連れて行った。「『何でおればっかり』なんて言いながらも、4人の中で一番まめまめしく介護をしていた」。きょうだいは、そう口を そろえた。
上村容疑者らが10年以上通う理髪店の店長(64)は「きょうだいの中で一番人懐っこい。でも、お母さんの認知症も介護も、聞いたことがなかった」。
週3回自宅を訪れるヘルパーにも、笑顔を絶やさなかったという。次男は「他人には常に気を使っていた」と振り返る。月に数回のショートステイの日、居酒屋でビールを飲むのが、ささやかな息抜きだった。
今月3日に警察署で面会した姉に、上村容疑者は「お母ちゃんに取り返しのつかないことをしてしまった」と言って泣いた。「みんなに迷惑かけてごめん」。そう言い、震えながら何度も謝った。
光が丘署によると、上村容疑者は逮捕直後に「殺すつもりはなかった」などと供述した後は、取り調べに黙秘を続けているという。(今村優莉)
     ◇
警察庁の統計によると、「介護・看病疲れ」を動機とする事件は増加傾向にあり、殺人事件では2007年の30件から46件、49件、55件と毎年増えている。
介護殺人の現状と課題を研究している日本福祉大の湯原悦子准教授(司法福祉論)によると、被害者の7割が女性で、加害者は7割が男性。息子が親を殺害したケースが3割を占め、被害者の3割は「認知症」だった。「一生懸命介護したが自分の力ではどうにもならなくなり、追い詰められて犯行に至るケースが典型 的だ」
公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部・京都市)は、介護者の声をウェブサイトで公開。「母が認知症になって6年。ストレスも体力も限界に来ました。毎日死ぬことばかり考えていました」(男性・41歳)などの言葉が並ぶ。
同会の高見国生代表理事は「最近は独身の息子が職を持たないまま親を介護する例が増えている。経済面で不安定だと将来を悲観しやすくなり、犯罪に走りやすい。介護者の孤立を防ぐのと同時に、雇用を支援する制度の充実も求められている」と指摘する。

 こんな介護地獄の悲惨まかり通る世の中、絶対おかしいよな。絶対間違ってるよな。誰かそう訴えて戦うムーブメントないのかな。神仏を信じねば「地獄に落ちる」といつも脅かして回る宗教者の面々は、なぜ介護地獄に落ちてしまった人を救い上げる『蜘蛛の糸』(芥川龍之介)みたいなお救い事業を起こさないのかな。でもそんな無料奉仕の〈無私〉の精神なんて実際はどこにもない……。

 自ら脱出するしかないんだよね。あの花金の夢・脱地獄団のように。自分で動く。Do it yourselfの道しかないのだろう。
スポンサーサイト
  1. 2013/02/19(火) 23:11:51|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<4-1 老人介護の世界史 | ホーム | 2 真夏の夜の夢>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://tsukasa45.blog.fc2.com/tb.php/35-15a3d00a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。