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仮説の冒険 吉田 司

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3.11以後を見る第3の目 その1

3.11以後の震災ニッポンの未来はどんなものか――3つのアングルがある。ひとつは震災復興景気がドーンとやってくる。ふるさと「民衆共同体」や市民的コミュニティ「絆」の復活という楽観主義。いいや、フクシマを見ろ。チェルノブイリ級の放射能汚染による健康被害(内部被曝)がこれから長期間続くという悲観主義的アングルが対立している。前者の復興景気なんてのは赤坂憲雄らの復興構想会議(遺物化したみたいだけど)にでも任せておけばいい。なるようにしかならない。EU発世界大恐慌も近づいているようだし。東南海地震や富士山爆発も出番を待っているようだし。

では、後者の悲観主義レポートから、最終章を始めるとしよう。

まず、9月22日の東京新聞で矢ヶ崎克馬・琉球大学名誉教授って人が、こんなこと語っている。福島市・郡山市のセシウム137(放射能は約十年で半減)濃度は、1986年に事故が起きたチェルノブイリ原発から百~百五十キロ西のウクライナ・ルギヌイ地区の汚染状況と酷似している。では、ルギヌイ地区ではその後どんな未来が展開したのか?

「まずは子どもの甲状腺への影響だ。通常は十万人当たり数人とされる甲状腺がんは、千人中十三人まで拡大した」「五、六年後から発症が急増している。福島でも必ず起こりうる」


東京新聞に続いて朝日新聞が追い打ちをかけている。

福島県南相馬市の市立総合病院は、9月下旬から検査した市内の小中学生の半数から少量の放射性セシウム137が検出されたことを明らかにした。(中略)低線量の内部被曝の人体への影響についてはわからないことが多い。1945年の広島・長崎への原爆投下や、86年の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故などでは詳細なデータがとれていないからだ。

福島第一原発事故による放射線の影響を見守る健康調査で18歳までの子ども全員を対象にした甲状腺検査が、福島県立医科大で始まった。2年半で36万人の検査を一巡させる。その後も定期的な検査を生涯続ける。対象は震災当日に0~18歳だった全県民で、県外に避難した人も含まれる。


あらら……まぁこの調子では福島の被害者は放射能汚染研究の“人間モルモット”にされる恐れがない……とは断言できないようなお話である。しかもその生涯追跡データは一体どこに蓄積・保管・利用されるのか――朝日新聞10月25日の記事に、内部被曝との関係は明記していないが、「小児がん記録 生涯保存=内閣府方針」との示唆的な事柄が載っている。

小児がんの子どもの診断記録を半永久的に保存する仕組み作りが始まる。記録の保存義務はこれまで5年間だった。……この事業は、内閣府IT戦略本部の『医療情報化』の一環。データをパソコンなどではなく、インターネット上に保存できるクラウドコンピューティングを使う。千葉県がんセンターなどが中心になり、まずは小児がん患者を診ている約60病院に呼びかけ、協議会を発足。(中略)本人や保護者が同意した診療記録を半永久的に記録、保存する。……診療記録は本人や保護者が自分でパスワードを使って管理。最終的には、本人の許可があればどこの医療機関からも過去の診療情報を参照できる体制を目指す。


わたしが恐れるのは、この全国小児がん患者情報の中に含まれる今回の原発事故での内部被曝→甲状腺がんの患者データがハッカー攻撃やサイバー犯罪によって盗み出されることである。そうした医学的な個人情報が流出し、他者に伝聞、公開された場合、本人らあるいはフクシマ出身者への被曝者差別(結婚・就職差別)に発展しないかと心を悩ますのである。

それはわたし自身が子どもの頃から父親が下半身不随の身障者家庭に育ち、いじめられ続けたこと。青春期に水俣奇病差別に苦悩して育った「水俣病若い患者の会」ボランティアを10年近く続けたことがあり、差別問題には異常に過敏体質であることと関係があると思う。

今後このフクシマ放射能汚染が新たな日本的差別現象を生まぬよう祈るばかりだが、それとは別にインターネット上に個人情報を生涯蓄積することの是非はもっと論争されるべきだと思う。今年の4月にはソニーの「プレステ・ネットワーク」などから会員約7700万人分の情報が盗まれているし、セキュリティソフト大手トレンドマイクロによれば、「2010年に見つかった新種のコンピュータ・ウィルスは2千万種類。1.5秒に1つばらまかれた計算だ」(日本経済新聞5月30日)ってくらいコンピュータ危機の世の中なのだぜ。

そこで3.11以降のわれらの日本人の未来は、楽観でも悲観でもない第三のアングル《コンピュータ》だ。以前、中沢新一の原発論について書いたときに、出てきたA・ヴァラニャックの「エネルギー征服」史の中にあった、〈第七次エネルギー革命〉の話。ヴァラニャックは原子炉に制御技術としてコンピュータは不可欠だと記していた。つまり原発とコンピュータはもともとワンセットで育ってきたのだから、いまコンピュータ世界がそうしたサイバー犯罪の危機にさらされているとき、世界第三位の原発大国である日本の原子炉の保安は大丈夫なのか? 

日本人はみな津波・地震の天変地異による原発事故の再来にばかり目線を合わせているが、原子炉のコンピュータへの攻撃(サイバーアタック)という新しい21世紀型戦争の時代が始まっていることに関心を示さない。インターネットを通じて他国の電力網を破壊しようとするサイバー戦争の時代はすでに始まっている。原子炉メーカー三菱重工へのサイバー攻撃で原発情報が流出したばかりではないか――そこで、このブログの最終章は、その第三のアングル〈われらの未来〉=〈原発とサイバー空間の誕生〉についての物語をるる語っていきたいと思う。
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  1. 2011/11/24(木) 00:53:38|
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