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仮説の冒険 吉田 司

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原発が一神教技術って、ほんと? その2

ところで原子力爆弾が世界制覇のために開発されたということは、善悪を彼岸に置けば、すなわち帝国主義理論に立てば、まあよくわかる話であろう。けれど、それほどすさまじい超エネルギーを水力や火力(石炭・石油・天然ガス)で十分な発電用にわざわざ使用せねばならなかった理由は一体何か。まるで巨大な鯨を小さなマッチ箱(原子炉)の中で飼いならすようなものではないか??? 費用対効果で原発が特に優れているわけではないことは、今では世界中の常識だし……。

欧米ではそのことを「バターを切るのに電気ノコギリを使う」と表現するらしい。「使わなくともよい電力を無理やり使う電力消費型」の社会が出来上がると『核大国化する日本』の鈴木真奈美はレポートしているよ。

原子力学者の吉岡斉の話を聞いてみよう。

「原子力発電技術は、原子核分裂連鎖反応によって生ずる熱エネルギーで高温・高圧の水蒸気を作り、それを蒸気タービンに吹き付けて回転させ、タービンと直結する発電機を動かす技術であり、汽力発電の一種である。正しくは中国のように核発電と呼ぶべき」(『原発と日本の未来』)

そうした発電=動力源としての核エネルギーを必要としたのは、実は原子力潜水艦なのである。すなわち当初から原発開発の「マンハッタン計画」に対抗してもうひとつアメリカ海軍の原子炉開発が秘密裏に進んでいた。というのも、第一次世界大戦で米英の戦艦や輸送船の多くがドイツの「海の狼」Uボートに襲われ大西洋の波間に沈んだ。そのUボートに対抗するために第二次世界大戦のとき、アメリカ海軍は長時間もぐりっぱなしで航行できる原子力(原子炉搭載)潜水艦がのどから手が出るほど欲しかったのである。その世界初の米原潜ノーチラス号が発進したのは1954年のことだ。坂本明の『世界の潜水艦』によれば、

「原子力潜水艦ノーチラス号は、潜水艦用に設計・開発された原子炉SIR(潜水艦用中速中性子原子炉)を初めて搭載した艦で、1954年9月末に就役、原子力プラントが初めて起動されたのは同年12月だった。1958年には潜航による北極洋横断に成功などの輝かしい記録を立て、原子力潜水艦の様々な可能性を実証してみせた艦であった」

ただし50年代は米ソ冷戦の激化した時代。ソ連共産主義は1949年に旧ソ連邦初の原爆実験をセミパラチンスク地区で成功させ、次に「潜水艦、および海上船舶、航空機およびロケット用の原子力による特殊動力装置の開発」でアメリカを追走した。『冷戦と科学技術 旧ソ連邦1945~1955年』(市川浩)から引用するね。

「ここで重要なのは、潜水艦用原子炉にも当初ウラン――黒鉛炉が想定されていたことである。たえず計画の中心にいたドレジャーリは、アメリカにおける原子力潜水艦《ノーチラス》(Nautilus)号建造計画がたいへん厳しい秘密保持態勢のなかですすめられていて、その構造的特性や動力装置のタイプなどについてほとんど情報がなかったと述べている。…中略…しかし、船舶用原子炉開発が国家計画として始動する段階で主たる想定が黒鉛炉であったことはたいへん重要である。まもなく、クルチャートフとアレクサンドロフはウラン――黒鉛炉をその重さ・大きさゆえに、潜水艦の推進機関に利用することの不合理性を結論することになる。この段階で開発途上にあった“AM装置”(*濃縮ウラン――黒鉛炉)は目的を発電用に切り替えたうえで、1954年世界初の原子力発電所=オブニンスク発電所に装備されることになる」

そう、これが実際上の原子力発電のスタートなのである。原発(核発電)は原子力爆弾を〈父〉、原子力潜水艦を〈母〉として生まれた。もともと〈原子力エネルギーの平和利用〉も屁ったくれもない。余計な役立たずの副次的利用として生まれてきたのさ。“そんなものいらない”と言われるあの「核のゴミ」を再利用して作られた〈劣化ウラン弾〉とよく似ている。

チョット本筋からずれるが、劣化ウラン弾についても一言しておこう。アメリカ軍は「湾岸戦争で三百二十トン、イラクでは二千二百トンの劣化ウラン弾を使用した」と言われているが、〈劣化ウラン弾〉とは原子力発電から出る大量の放射性廃棄物=「核のゴミ」(ウラン238)をリサイクル利用して作る強力な機関砲弾丸のことだ。戦車の鋼板を貫通し高熱の放射能ガスとなって兵士を即死させる。同時に周辺の土や水や食べ物を放射能汚染させる。人間も汚染=被曝する。米国防総省は「四十三万六千人の地上軍兵士がクウェート、イラクの劣化ウラン弾使用地域に入った」ことを認めた。帰国米兵の間に白血病やがんが多発しているらしい。それならウラン汚染地帯で生活するイラク住民の運命はどうなる!? ああそれなのに、オバマ大統領の核軍縮リストには劣化ウラン弾削減の文字は一個もない。

とまあ、そんな調子なんだもん、一体どこが原子力発電所は〈原子力の平和利用〉なんだよなぁ~。「嘘も方便」のお釈迦様の仏教世界の物語だろう、こんなの。一神教技術が聞いてあきれる……ってんで、そのロシアの原子力発電所の後日譚というか、それをめぐってどんなテンヤワンヤの世界騒動が起こったか……そのお話はまた次回。
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  1. 2011/09/30(金) 02:17:40|
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