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仮説の冒険 吉田 司

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3つの標的

さてその中沢新一の原発論。なんで中沢なのかというと、『大津波と原発 内田樹×中沢新一×平川克美』の鼎談で、日本的な緑の党を作ると、勇ましく発言しているからだ。チョットその本の中から2つ3つ、中沢発言を寄せ集め(ブリコラージュ)してみよう。

①「僕は東北がすごく好きで。あの三陸の人たちともよく付き合いましたし。それに何よりも福島県の農業地帯の悲劇であそこは有機農業に打ち込んでいる人たちがけっこういるんです。その人たちが今すごく苦しんでいる。……原発のごく近くの農地は使えなくなる。ひとつのアイデアは、あそこに太陽光発電パネルをたくさん並べて発電システムを変えていくということだ」

②「セシウムなどが土壌に降ってしまった地帯では、土壌を入れ替えて、そこに新しい農業を再建しなければいけないでしょう」

③「ぼくは『緑の党』みたいなのをつくろうと思うの。ドイツの『緑の党』とは、思想的な地盤もずいぶん違うところから出発するものだと思いますけれども、日本の自然思想に立脚した新しいタイプの『緑の党』みたいなものをつくろうと思います」

④「宮澤賢治みたいな人が東北をどうするかって考えていたのは、こういうときのためなのだと思うのです。イーハトヴの思想なんて、これからの復興の基本思想に据えていくべきものです。宮澤賢治はそういう思想を童話で表現しておいたから、甘い話だなんて思う人もいるかもしれないけれど、彼は貧しい東北をどうやら未来にとってもっとも輝かしい地帯につくりかえられるかということを、本気で考えていた人です。そんなことを考える思想家が生まれ得たのは東北だからです。東北はそういう可能性がある場所なんです。ぼくの考える『緑の党』の旗には、宮澤賢治と紀州の南方熊楠が描かれるんだ」。

またこんなおバカな鼎談も交わしている。

「中沢 日本の自衛隊は称賛に値すると思いますね。
平川 自衛隊って今まで役割がさ……はっきりしないんだよ。いったいどこが仮想敵かもわからないし。でも、これではっきりしたね。なにをやらなければいけないか。
内田 なにをやるの?
平川 東北の復興だよ。そのいちばんの手足となるのは自衛隊ですよ。
内田 あっ、そうか(笑)。なるほど。
中沢 そうすると「宮澤賢治部隊」だね、彼らは。
内田「オペレーション銀河鉄道の夜」とか?」

この中沢の『緑の党』宣言、まあ『緑の資本論』の著者らしく、語呂合わせでカッコいいっちゃカッコいいのだが、すでに日本版『緑の党』みたいなものは、現実に存在している。8月11日の朝日新聞で須賀奈緒(みどりの未来共同代表)という人が語るには、
⑤「1990年代後半から活動する地方議員ネットワーク『虹と緑』と、2002年に中村敦夫・元参議院議員が立ち上げた『みどりの会議』の流れをくむ『みどりのテーブル』が、08年に統合し、発足した。国政での『緑の党』結成を目指し、現在、約60人の地方自治体首長や議員が参加している」

なお須賀代表は原発推進派=保守・右翼VS脱原発=左翼という思考図式の転換も訴えている。

⑥「脱原発だから左翼というのは事実に即していない。6月に全国であった反原発デモには日の丸が立っていた。イデオロギーを超え、幅広い人たちが行動を起こした。脱原発は『左右』ではなく。一部利権を持つ人と普通の人々の対立、つまり『上下』の対立構造になっている。そのことに気づいていないのではないか」

そしてこう結んでいる。「13年の参院選には必ず当選者を出し、正式に日本版『緑の党』を結成したい」。

〈緑〉は1970年代反公害「市民運動」時代のシンボルカラーだったが、それがふたたび流行・力を得る時代は、われらの不幸または暗愚を示している。思想と知識の分野において、リピートとリサイクルは、すごく恥ずかしいデキゴトなのだ――というわけで、中沢新一の思想と知識を狙撃しよう。

まず、①から④に至る考え方を簡略にシンボライズすれば、3つの標的が浮かび上がる。〈東北の宮沢賢治〉と〈ドイツ緑の党〉と〈紀州の南方熊楠〉だが、これらについては、このブログでいくつかのコメントや主張を書き残している。

〈賢治〉については、「またまた宮澤賢治がやってきた」と「真打登場」で。〈ドイツの緑の党〉については「『緑の党』を生んだ国の原罪」で。明治(薩長)政府の神社合祀令に反対運動を起こし、日本における“自然保護の走り”と評価されている〈紀州の南方熊楠〉については、「反逆のホットスポット」の中で、同じ紀州出身の芥川賞作家・中上健次の『紀州 木の国・根の国物語』(敗れた者らの棲む国)すなわち〈闇の国家〉論をすでに対置してある。いずれも駆け足の論考だが、それらをご覧いただければ、①~④の中沢思索へのとりあえずの反論やチェックになろうかと思う。今回はここまで。次回から本格的に中沢思索の検討に入るからね。
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  1. 2011/09/15(木) 01:14:54|
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